こんにちは、内藤病院理事長の内藤雅起です。当院は人口8万人を有する東成区で地域医療に根差した病院を目標に、昭和26年に開業されました。当初は内藤診療所として開設されましたが、昭和62年からは外来、入院、そして在宅診療の3本の柱で地域医療を担う病床数23床の内藤病院となりました。

病床23床と非常に小さな病院ですが、1日の外来患者数は150件/日、冬の発熱シーズンになりますと、200件/日となり、そのうち多い時で1日50人近くの発熱患者の診療をすることがあり、地域医療に多少なりとも貢献しているものと考えています。

 みなさまもご存じのように2020年1月16日、日本で1人目の新型コロナウイルス感染症患者の発生を皮切りに、我々日常生活だけでなく、医療も大きく変化してきました。内藤病院ももちろん例外ではありません。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、われわれ内藤病院が考えたことは以下の3点です。

  • かかりつけの患者さんが、院内で感染するリスクなく、従来通り安心して内藤病院に通院していただけること
  • かかりつけの患者さんに問わず、内藤病院を頼って受診される新規発熱患者さんは、お断りすることなくしっかりと診察すること
  • 内藤病院で働くスタッフに感染リスクなく、安心して働ける職場環境を提供すること

 かかりつけの患者さんへの感染リスクを減らし、内藤病院に従事するスタッフへの感染リスクを減らすために、まずわれわれ内藤病院は発熱患者さんとそうではない患者さんの動線を分けることからはじめました。5月当初は、内視鏡検査室に使用していた部屋を、一時的に発熱患者さんの診察場所にするようにしました。

 また、公費(保険診療)でSARS-CoV-2 PCR検査・抗原検査を行う場合は、行政から委託を受ける必要がありましたが、当時、内藤病院は行政委託を受けていませんでした。そのため新型コロナウイルス感染症が疑われた患者さんには、私達から保健所に連絡し、保健所主導のもと、後日患者さんはPCR検査を受けられるという流れとなっていました。

 6月、7月と新型コロナウイルス感染症が流行すると同時に、健康であってもコロナ感染者と接触したことで自分が感染したのではないか、数日前体調が悪かったことがあるが、もしかしてコロナ感染ではなかったか、自宅に介護をしないといけない人がいて、自分がコロナ感染していないか確認しておいたほうがいいなど、さまざま理由で、SARS-CoV-2関連の検査を希望される方が増えてきました。これらの方に対する検査は保険適応ではなく、自費診療となります。このようなご要望が非常に多かったので、8月より内藤病院では自費診療によるSARS-CoV-2関連の検査(PCR検査、抗原検査、そして抗体検査)を行うようになりました。具体的には当院ホームページ(naito-hp.com)をご参照していただければと思います。

 10月に入り、大阪市と大阪府医師会との間で新型コロナウイルス感染症の行政検査・集合契約が締結されました。当院は診療・検査医療機関と認定され、発熱患者さんに対して、公費(保険診療)でSARS-CoV-2 PCR検査・抗原検査を行えるようになりました。多くの発熱患者さんが受診されることが考えられましたので、かかりつけの患者さんへの感染リスクを減らすため、そして内藤病院で働く医療従事者への感染リスクを減らすため、従来男子更衣室として利用していた部屋を、発熱外来に改築することといたしました。工事は急ピッチで行われ、11月、新たに設けた発熱外来で、無事1人目の発熱患者さんの診察を行うことが出来ました。

(発熱外来専用駐車スペース)
(発熱外来)

発熱外来では医師が必要と判断した場合、公費(保険診療)でSARS-CoV-2 PCR検査・抗原検査をその場で行っています。また発熱患者さんを診察するときは、医療スタッフはマスク、フェイスシールド、手袋、そして防護服を着用し、かつ、一般患者さんとは完全に動線を分けて発熱外来で診察を行うことが可能となりました。

12月、新型コロナウイルス感染症の勢いは止まらず、それに伴い、発熱外来を受診される患者さんの急増、同時に自費診療によるSARS-CoV-2関連の検査(PCR検査、抗原検査、そして抗体検査)の希望者が増えてきました。自費診療を希望される理由は様々ですが、コロナ感染者と接触したが、濃厚接触者とは認定されず心配です、帰省のため、海外渡航のため、などが多く見受けられます。当院ではそれらの要望にお応えするため、PCR検査専用の場所を設置し、専属看護師や受付事務員、コールセンタースタッフを配属し、検査枠を大幅に増やしました。また希望者にはPCR検査当日に検査結果をお伝えする体制もとるようにいたしました。詳しくはホームページ(https://www.naito-hp.com/corona-exam)をご参照ください。

 現在新型コロナウイルス感染症に対する検査として、自費(自由診療)による検査と公費(保険診療)による検査があります。当院ではいずれの検査に対しても、迅速かつ柔軟に、そして厚生労働省に認可された高精度の検査をご提供しています。また発熱外来に特化したスペースを設けておりますので、発熱患者さんもお互いに病気をうつしあう心配はなく、一般の患者さんも安心して受診することが出来るようになっています。また、仮に検査で新型コロナウイルス感染症と判明した場合は、保健所に医師が責任をもって連絡し、今後の方針をご説明するようにしています。

 かかりつけの患者さんの感染リスクを減らし、内藤病院を頼って受診される発熱患者さんの診察を行い、そしてスタッフの感染リスクを減らすこと、今、一つ一つ内藤病院はその目標を達成しつつあると思います。来年、もしかすると再来年とまだ新型コロナウイルス感染症の渦中に世の中はあるかもしれませんが、どのような状況下でも内藤病院は地域医療に根差した病院であり、少しでもみなさまのお力になれる病院でありたいと願います。

令和3年1月